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健康食品販売等がんビジネスの実情

健康食品のヒト臨床試験

 前のページヒト臨床試験で証明されることが必要だと書きました。
 現在、欧米諸国を中心に健康食品は本当に(ヒトが飲用・食用することによって)効果があるのかどうかのヒト臨床試験を行って検証する取り組みが始まっています。 しかしながら、日本ではこうした臨床試験はほとんど行われていません。
 まずは、製造・販売会社がそれぞれ責任を持ってヒト臨床試験を進めることが必要ですが、アガリクス製品をみても、大手製薬会社も出しており、これだけ多く利用されているにも拘らず臨床データがほとんどないというのは、かなりおかしな現象といえます。
 アガリクスも一過性のブームと捉えているからでしょうか、最初から臨床試験を放棄しているようにも見えます。 その「がんに効く!!」効果について信念を持って製造・販売しているようにはとても思われない。 こうした点が、(その販売手法と相まって)「健康食品」をあやしい存在におとしめています。

 そうなると、国の公的研究として基礎的実験や臨床試験を期待するほかないですが、最近始まった厚生労働省の取り組みも、(「食品」だからということで)「安全性と品質管理」に重点が置かれ、「効果」の検証には消極的です。
 なお、βグルカンについては、βグルカンを含む糖鎖の免疫機構についての研究が大学を中心に行われてはいるようです。 将来的にはβグルカンには「体の免疫」を上げる効果がある(もしくはない)とか、がんにも一定の効果をもつ(もしくはもたない)といった結論が出されるかもしれませんが、まだまだ先の話です。
      (2009年5月までに私が探しえた範囲のものに基づいています。)

「体験談」は科学的証拠にはなりえない

 今しばらくは、「体験談」以外に、アガリクスをはじめ健康食品の人間のがんに対する効果を語るものはないのです。
 しかし、その「体験談」は、とても科学的証拠にはなりえない上、「バイブル本」の「体験談」には、ゴーストライターによる架空の物語である場合も少なくないことが指摘されています。(「バイブル本詐欺事件」で検索してみてください)
 最近では、闘病記集や最新治療情報を送りますといったメールマガジンを使った同様の手口のものも増えています。

 さて、科学的証拠では納得させられないとなると、他のなにかで権威付けをしなければなりません。
 そこで、「NPO法人」を名乗ってみたり、「医学博士」を登場させたりします。
 しかし、NPO法人格は比較的簡単に取れ、「公益法人」とはまったくの別物であって必ずしも公益団体ではありません。
 「活動内容」には、「○×研究会に参加」「○×医大フォーラムに参加」と「実績」がたくさん並ぶが、よく読んでみると、(誰でも聴講できる)講演会などに一般参加しただけで、主催したわけでも主体として参加したわけでもないなどの例も見受けられます。
 「医学博士」にしても、他の分野の博士号の取得はかなり困難で権威があるのに対して、どういうわけだか、「医学博士」だけはゴロゴロいます(多くは「論文博士」という人たちです)。「やぶ医者」と評判の近所の診療所も「医学博士」だったりします。
 「新免疫療法」詐欺事件の元近畿大学教授も「医学博士」でしたね(教授は、ゴロゴロとはいないんですけどね)。
 「医学博士」ですらこうなのですから、「個人病院院長」なんてのは、何の信頼の根拠にもなりません。
 さらに最近は、「歯科医のK先生が推奨」のアガリクスまで現れて「がんビジネス」は来るところまで来ています。
 バイブル本も「著者」ではなく「監修」となっているものは、その人は責任を取りません。

 ※ ここまで書いてくると、書いてる自身ですら「じゃあ、お前は何者なんだ」と思いますが、私は家族に肺がん患者がいるフツーの事務労働者です。
 権威もなければ、信頼に値する根拠もありません(参考文献等を表示すること以外には)。
 ですから、ここに書いてあることがすべて正しいというのではなく、こういう意見・考え方もあるんだくらいに思って読んでください。
 私の意見が公平なものとは思っていません。たとえば第1回テーマ『 免疫に作用する健康食品等の効果 』でも「非特異的免疫療法」には限界があるのではという立場を下地にしています。
 したがって、「健康食品」の販売サイトにある情報などと両方を読んでもらうことで初めて公平になると思っています。
 このサイトの目的は、私の意見を押し通すことではなくて、(氾濫する販売サイトの中で)公平公正な判断ができるように、いろんな見方があることを示すことです。

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