素人でも「いんちきサイト」かどうかは判断できる
「がんに効く!!健康食品」の販売(がんビジネス)サイトにある情報のすべてをおかしい・あやしいといっているわけでもありません。
EBM(Evidence-Based Medice)を最大限尊重される医師でも、「健康食品」ががんを縮小させた事例が現に存在することを否定できないはずです。
私自身、人間の体に本来備わった生命力や免疫力、自然治癒力、そして心の働きが、がんに対抗する機能として重要であることは、父を看病しながら切に感じるところです。
西洋医学には足りないところがたくさんあると思っていますし、エビデンスがすべてと考えているわけでもありません。
補完代替医療には患者家族として大いに期待し、その正常な発展を歓迎するものです。
しかし、「がんに効く!!健康食品」の販売(がんビジネス)サイトにある情報には、「万人に効くことが科学的に証明されている」ような錯覚を与える部分が多々あるので、そこには気をつけなくてはならないと思うのです。
患者や患者家族がワラをもつかむ思いでいるところにつけ込んで、「数ヶ月で末期がんが消滅」、「分子量を小さくして吸収しやすく」など科学的根拠のない、誇大表現の情報で、「健康食品」の効果を無条件に信じ込ませるようなサイトを放ってはおけません。
ほんの少しでも基礎知識を身につけて読めば、われわれ素人でも「いんちきサイト」かどうかは、全サイトの5割くらいは判断できるようになるでしょう。
たとえば、「完全に治った」とか、「完全消滅」などの文句は要注意です。
すでに多くの検査をし、がんの診断を受けた人であればお分かりかと思いますが、現時点では、せいぜい5ミリくらいに育ってPET検査などで目に見えるようにならないと、がんの存在は診断されません。
治療による「完全寛解」も、目に見えるものは画像に映らなくなったというにすぎません。
「完全に治った」とか、「完全消滅」などということは、世界一のがん診断の権威が世界最新・最高の診断機器を使っても決して宣言できないものであることは、理解していただけるものと思います。
とすれば、「がんに効く!!健康食品」の販売(がんビジネス)サイトは、誰に判断してもらったのでしょうか? 患者体験談にもこれらの言葉はよく出てきますが、誰に言われたのでしょう。医者はそんなことは絶対言わないはずです。
ですから、すくなくとも「完全に治った」とか、「完全消滅」などと書かれているときは、十二分に疑ってかかってください。
(参考:当サイト内 「数ヶ月で末期がんが消滅」!??)
補完代替医療の効果を最大に享受できるように
少しでも基礎知識を身につけて、「健康食品」を含めた補完代替医療の効果を最大に享受できるようになりましょう。
ともかくも(エビデンスがすべてというつもりはありませんが)ヒトが口から食べて「健康食品」の「がんに対する効果」を科学的に証明した研究は、いまだに1つも存在しないということを覚えておいてください。
また「健康食品」を利用するにしても、少なくとも安全なものを選ぶようにしてください。
そして、必ず主治医に相談することです。
また、「家族や友人からの勧め」で始める人もたくさんいます。
あなたが患者にサプリメントや健康食品を勧めるときは、慎重によくその「健康食品」を調べてからにしましょう。
あなたは軽い気持ちで勧めただけかもしれませんが、患者にとっては深刻な話であり、命を左右する事柄になるかもしれません。